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​神谷がたり

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​神谷がたり
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『神谷がたり』とは、地域の食とものづくりの文化を後世に残すことを目的とした本です。神谷ならではの料理の作り方、子どもの頃よく使っていた道具や玩具の作り方を掲載し、地域の皆さまからお聞きした、料理や道具、玩具を食べたり使ったりしていた頃の思い出ばなしも載せています。

 タテマエ1年目に行ったオーラルヒストリー調査にて、地域の方々の頭の中に、昔ながらの料理や道具の作り方など、私たちが知らないたくさんの技術が眠っていることに気付きました。調査中の地域の方々とお話を通して、食と地域のアイデンティティは密接に繋がっていると感じました。そこから、「食とそこにあるストーリーをセットにして残していきたい、そうすることで神谷の文化継承の役に立てるのではないか」という想いを持つようになりました。また、竹や藁など身近にあるものから道具や玩具を手作りできる方がいらっしゃることにも大変ときめきました。タテマエの学生の中には、亡き祖父の竹の玩具を作る技術を受け継げなかったことを後悔している者もおり、同じ想いを地域の方々のお孫さん達にさせたくないという考えが芽生えました。加えて、タテマエ2年目に行った「生活環境リサーチ」の回答では、全体の四分の一の方々が「集落の文化を守る・活かす地域づくり」を望んでいることも明らかとなりました。こうした私たちの想いや地域の方々の声から、『神谷がたり』プロジェクトは2019年にスタートし、このほど完成品が出来上がりました。   

 完成した本は、5集落の区長さん、作り方を教えて下さった方々にお渡しし、公民館にも置かせて頂きました。さらに、いの町立図書館、オーテピア(高知図書館)にも寄贈しており、より多くの方に神谷北部5集落を知ってもらえると思います。また、今年の7月にはいの町長にも本を見て頂き、高知新聞(2021年7月27日)にも掲載されました。 『神谷がたり』は単なる図録ではなく、手仕事や手料理に込められた、目に見えない生き方や思いも含めた、まさに地域固有の記録です。また全編にわたり英訳を付記し、国境を越えて地域文化に触れていただけるよう工夫しました。

 今後は『神谷がたり』の活用による新たな取り組みや、2冊目の製作も検討しています。

(文責:武澤里穂・森脇美鈴)

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