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​オーラルヒストリー調査

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オーラルヒストリー調査は、タテマエが神谷北部5集落の連合自治会と連携協定を結んでから、初めての活動でした。オーラルヒストリー(Oral History:口述史)とは、自治体史や文献ではなく、住民一人ひとりの人生の履歴や、その時々での思い出を蓄積していくことによって編纂する地域の歴史のことを指します。本プロジェクトは、このオーラルヒストリー調査を通して、日々の営みの中で継承されてきた有形無形の資源や慣習といった「地域の遺伝子」を探り、今後の地域づくりの足掛かりとなるヒントを見出すことを目的に実施されました。

 本調査は、2018年8月〜9月にかけて、住民の方に聞き取り調査を行い、思い出に残っている風景や、小さい頃の遊び、食生活や地域行事などの「暮らしの記憶」を採集しました。1人あたり概ね2時間程度、合計55組59名の方にお話を伺いました。お伺いしたお話は全て文字に起こし、約46万文字のデータになりました。そのデータを「昔遊び」「食」「地域行事」など、ジャンルごとに細かく分割・整理し、集落の歴史として取りまとめました。

藁草履を履いて通学したお話や牛や馬を使って田植えや稲作をしたお話、川でうなぎを捕ったお話など、皆さまから聞いた昔の神谷のお話はどれも興味深いものばかりでした。料理や食材に関するお話では、度々「りゅうきゅう」や「ひがしやま」が登場しました。高知県外出身者が多いタテマエのメンバーは初めて聞く食材の名前ばかりで驚きました。調査の合間には、自家製のはちみつや梅干し、いも天など、たくさんのおすそわけをいただきました。どれも大変美味しかったです。また、昭和50年の台風によって大きな被害を受けた影響で、それまで自然の状態だった川が三面張りになり、風景も生息する生き物も変わってきたと聞き、以前の神谷の姿も見てみたいと感じました。神谷で生まれ育った人、結婚を機に神谷に来た人、U・Iターンで神谷に移住してきた人、それぞれの人が持つこの地域での思い出や地域に対する想い→表記確認をお伺いしながら、現地を訪れたり、歩いたりすることだけからは分からない物事も含め、神谷という地域を深く知ることができました。

取りまとめた口述史は、今後の具体的な地域づくりの取り組みの提案「タテマエ10の提案」と併せて2018年3月の現地報告会で発表しました。その際に、パネルも贈呈させていただきました。これらの具体的な成果やメンバーが個々に感じ取った思い、調査を通した出会いが、後に「たてのま」や「神谷がたり」などの新規プロジェクトへと派生していくことになります。

(文責:小林瑞希)

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